気になる労働裁判例等

気になる裁判例等②~パワハラ

化粧品会社と社長に1.5億円の支払いや社長の辞任を決定(東京地裁)

会社社長による「世の中でいう野良犬っていうんだよ」などの暴言ととも「お前、大人をなめるなよ」「1回帰っていいよ、自宅待機」等と1時間にわたる叱責を受けた従業員がうつ病に罹患し休職。休職期間満了を理由に退職後、自殺を図り一命をとりとめたものの、2023年7月に遺族が提訴した後に死亡。2025年に入り会社側が和解を提案し、その後民事調停に移行していた。2025年9月9日に東京地裁が民事調停法に基づき1.5億円の支払いや社長の辞任を盛り込んだ決定をした。双方が異議申立てをしないことで決定は確定した。決定内容に「社長の辞任」が盛り込まれるのは異例のこと。

2024年5月には三田労働基準監督署が、社長の言動をパワハラにあたるとし、うつ病の発症と死亡との間に因果関係を認め、労災認定をしていた。